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レビュー対象=データ分析
ぷっしゅ(村松大輝)=マーケティング戦略とデータサイエンス。
レビュー対象=データ分析
ぷっしゅ(村松大輝)=マーケティング戦略とデータサイエンス。
トーマス・H.・ダベンポート『アナリティクス3.0』2014年5月
V.M=ショーンベルガー、K.クキエ『ビッグデータの正体』2013年5月
今マーケティングの分野では、データ分析の力によって、また一つ大きな変化が生まれようとしている。
2012年にGoogleが画像認識技術にディープラーニングを用いたと発表して以降、機械学習と統計解析、そしてビッグデータに対する大きな期待が生まれた。「ビッグデータの時代には、あらゆるデータに価値が宿る*01」と高らかに宣言され、ビジネス・インテリジェンスとしてのデータを企業や組織の意志決定に活用するだけでなく、サービスや製品そのものに組み込もうという動き「アナリティクス3.0*02」が動き出した。
もちろん、こうした流れが生じる以前から、ユーザーが商品を購入するか否かの予測確率を算出する手法は存在した。しかし、数人のエンジニアが数ヶ月かけて予測モデルを作成するのが当たり前で、あまりにも時間と手間がかかりすぎていた。これに対して、現在では、そのプロセスを数時間程度にまで圧縮できるツールが出現している。
そのおかげで、製品やサービスの購買行動ばかりでなく、あらゆるシチュエーションにおける顧客の行動を予測することが可能になった。現場の営業マンは「今日会うAさんが商品Bを買う確率は90%だな、じゃあ商品Bを持って行こう」と意思決定するだけで良いケースすら出てくるようになった。天気予報を見て傘を持っていくかどうか決める、それが業務になったわけだ。
とはいえ、天気予報に比べて、ビジネスにおけるデータ分析の必要性は理解されていない。その原因のひとつは、計算プロセスがブラックボックス化されている点にあるとされている。確かに、提出される確率や予測モデルがどのようにつくられたのかを現場が理解することはほとんど不可能だ。そのことによって分析を忌避する組織が少なくないという説明は説得的である。
しかし、本当にそれだけだろうか。私たちは、気象学がわからなくとも私たちは傘を持って出かけ、医学がわからなくとも病院に行くはずだ。そうした行動を生み出しているのは、そこでなされる診断や予測に対する信頼があるからだ。顧客と信頼関係を結び、試しに使ってみてもらうこと。これからデータ分析屋が考え出さなければならないのは、まさにその手法である。