[review] Rhetorica Review

Ono|「〜感」の集積

DESCRIPTION

レビュー対象=The Rave Story
Ono=普段は学生。合間を縫ってattic note名義でOdd Castles, FOGPAKなどから音源をリリース。

Fig.01

会場に展示されたセカンド・サマー・オブ・ラブ当時のフライヤー、現場写真、アーティストの名前。

ono_1 先日ロンドンに行く機会があり、ちょうどその時にやっていた「The Rave Story」の展示を見にClub Aquariumへ行ってきました。この展示は主に、88-93年にかけてのイギリスのレイヴカルチャーがテーマとなっていて、当時のフライヤーや写真、ビデオ、レコードなどを見ることができます。かつて実際にイベントのオーガナイザーを務めていたDJたちが企画したということで、第三者的な視点というより、当事者の目線でその時代の出来事を伝えようとしているのが印象的でした。808 State、Happy Mondaysなど、大学時代に少なからず聴いていた音楽の当時の雰囲気みたいなのを知りたいなという軽い気持ちで行ってみたのですが、思いのほか興味を唆るものとたくさん出会えました。
 音楽の歴史的な知識が乏しい僕は、フライヤー集をみて、自分が普段ネット(主にTumblr)で見ていて、勝手にインターネット感があるなあと思い込んでいたgif画像などの表象も、その多くがこの時代には既に登場していたこと、そしてアシッドっぽさとネットぽさの異常な親和性ってなんなんだ、と勝手に感動していました。当時のフライヤーは、人をイベントに集める数少ない手段であったためか、視覚的なインパクトが大きく、イベントのコンセプトが一目でわかるものがいまより多いように感じました。
 音楽はその時代を反映するなどと言われがちだけれど、じゃあ実際どんな風に? と考えた時に、このセカンド・サマー・オブ・ラブ周辺のムーブメントは、それをアシッドというアイデアに顕著に現れているなと思いました。レコードによって音楽の大量複製が可能になったことと、若者のいわゆるモラトリアム期間が増えたことで、音楽文化には既存の価値観に反発する成分が次第に含まれていく。この時代の場合はそれがアシッドという記号だったのだなあと思います。展示はいつも、その後の趣味の選択肢を増やしてくれます。これを機にもっとアシッドハウスを聴いていくぞー。