Is it real, is it real?
What you want, what you want…
──Boom Boom Satellites – YOUR REALITYS’ A FANTASY BUT YOUR FANTASY IS KILLING ME
リアルでいることはひどく難しい。大体、何がリアルだっていうんだろう。
廃墟の中のせいぜいが少しおもしろい形のガラクタとか、そこにあるべくしてあるものを好む深海魚のようなぼくたちに、そんなことは可能なのだろうか。
朝起きてTwitterを開く。
タイムラインには仕事への不安が満ちている。
これは紛れもないぼくたちのリアルである 。
何かを愛して止まないそんな人をフォローしたはずだったのに。
仕事を終えてTwitterを開く。
さっきと打って変わって楽しそうにアニメを見たり夢のような世界が広がっている。しかしただ空いた時間を潰しているような感じもする。
私はこんなキャラクターが好きであるとか、何万円そこに突っ込んだとか。
休日に同人即売会へ行く。
個人で作っているにしては、信じられないくらいクオリティが高い。
しかし、何を思いそれを作ったのか、さっぱり分からない。
月曜日の朝になってTwitterを開く。
タイムラインには仕事への不安が満ちている。
そんな往来をしているうちにとてもつらくなる。
宙に浮いているような感じになってしまう。
人格が分裂したような気持ちになる。
何が好きなのか思い出そうとする。
みんなと同じように見たアニメの話をしたりする。
そういうことではない感じがする。
ぼくが魅了されたTwitterは、背が高くておしゃれができないで、いつも「悲しい」とつぶやいている小さな小さなアカウントが、大柄のアイドルを応援しているものだった。ぼくはそのキャラクターを通して、そのアカウントの現実ではなく、どうなりたいのかを感じ、孤独がまぎれる感じがしていた。
大切なのは、ぼくたちが見ている夢の王国にも、どこかしらぼくたちのリアルがあって、それはただの抜き出された現実でも、ただ誰かの作った夢をみているだけでもないということ。
夜眠れずにTwitterを開く。
これから見る夢にあなたが出て来ることを祈って。